光のシミュレーションをとってみても、1960年代後半から70年代を通じての、平行光線と点光源による簡単な陰影表示技法の基礎開発段階から、1980年代に入って、各種の配光特性をもった点光源をはじめ、線光源で表した蛍光灯、面光源による埋め込みパネル、多面体光源に対する表示法が開発されるようになった (左図参照)。
80年代後半早々には、それまでの一様の明るさの環境光から、壁等からの相互反射を考慮した、より精密な環境光による屋内照明の計算法が発表され、世間の注目を集めた(1985年)。
最近では、この相互反射の計算をハードウェア化したワークステーションも開発された。さらに、屋外の景観をよりリアルに表現することによる環境シミュレーションには天空光が有効である。天候状態を考慮した夕焼けの情景や、雲や霧、霞など、大気中の粒子による光の散乱・吸収効果のリアルな表現が可能になった。