CGキーワード

隠線消去とは

 透視投影だけでは、投影されたすべての面が表示され、面どうしが重なってしまう 。人間の目に映るのは、そのうちの最も手前の面や稜線であるから、本来は見えない 線を検出して表示しないようにする。これを隠線消去(hidden line removal)とい う。これによって3次元形状がよりわかりやすくなる。
、不可視の面を検出して消去することを隠面消去(hidden surface removal)という。これらの判定のための基本的な 性質を述べる。  凸多面体が1つの場合は、表の面を表示すればよいが、複数の多面体が重なり合う場合を含めて考えると処理は複雑になり、種々の方法があ る。これらの方法では一般に裏の面は隠面消去の前に取り除く。
 隠面消去については多くの手法が開発されており、これを判定を行う空間について分類すると、
画像空間アルゴリズム(image space algorithm)
物体空間アルゴリズム(object space algorithm)
優先順位アルゴリズム(priority algorithm)
に分けられる。
 画像空間アルゴリズムと物体空間アルゴリズムの違いは、それぞれ判定をスクリーン上で行うか、3次元空間で行うかである。  優先順位アルゴリズムは、3次元空間で多角形の前後関係を求めておき、スクリーン上で遠方のものから順に重ね描きする方法である。つま り物体を構成する多面体または多角形に、与えられた視点にもとづいて優先順位を与え、優先順位の低いものから順にフレームバッファに書 き込むもので、最終的にはスクリーンに可視面が表示される。ここで優先順位とは、視点に対して近いものほど順位が高いものとする。この 方法で重要なことは、優先順位をいかに決定するかである。なおこの方法は最近ではあまり使われていない。  画像空間アルゴリズムは、スクリーン上の領域(画素または走査線)を単位に隠面消去を行う。この方法の代表的なものにZバッファ法があ る。

シェーディングとは

 3次元物体を観察するには、光源が必要である。ある光源のもとで物体を観察すると、その表面の明るさが場所によって微妙に異なっている 。面の向きと光の照射方向により面の明るさは変化し、光のあたらない部分もある。この部分を陰(shade)という。また、この物体があるた めに他の物体上に光があたらない領域を生じることがある。この領域を影(shadow)という。CGでは、こうした陰影の効果を計 算することが必要である。  陰影表示は、光のあたり具合いによって色調が変化する状態を表示するシェーディング(shading)と、光が遮られて生じる影の表示法 (shadowing)の2つから成る。物体の光学的特性に依存して生じるさまざまな現象や、遠近感の表示法など多くの手法が開発されている。  精密な物理法則に従うほど写実的な画像を創成できるが、それだけ高速、大容量のコンピュータを必要とする。したがって、どのような物 理モデルを採用するかは生成する画像の用途に依存する。
 シェーディングのために採用する光の物理モデルをシェーディングモデルという。シェーディングモデルを構成する要素は、物体を照射す る光源の種類およびそれらの特性、物体を照射する光(直射光と間接光)の種類、さらに、反射・透過・屈折などの物体の性質である。  物体を照射する光は直射光と間接光に分けられる。直射光はさらに平行光線(太陽光)、点光源(電灯、スポットライト)、大きさをもつ 光源(蛍光灯、間接照明)に分けられる。大きさをもった光源として線光源、面光源などがある。間接光としては、一般に環境光として一定 値を与えるが、厳密な方法として、相互反射光を考慮する場合がある。

アンチエリアシング

 フレームバッファあるいはラスタスキャンタイプのディスプレイに文字や図形を表示したとき、斜めの 直線や多角形の境界部分に、階段状のぎざぎざであるジャギー(jaggy line)が生じたり、細い線や物体が寸断されたり、あるいは規則的なパ ターンに干渉縞によって生じる模様であるモアレが現れたりする現象を、エリアシングという。  エリアシングは、アナログ信号をディジタル信号に変換する際のサンプリングの結果として生じる現象であり、斜めの線や境界部において 、点が表示・非表示のいずれかしか選択できないことに起因している。このエリアシングを目立たなくする処理が、アンチエリアシング処理 である。

ラジオシティ法

 リアルな画像を生成する方法として、レイトレーシング法が有名であるが、それと同時にラジオシティ法も注目されるようになってきた。  室内の各部分での照度は、光源からの直射光成分と、壁などから反射された間接光からなる。この間 接光までを含めて考える照明計算を大局照明(global illumination)という。照明工学の分野においては、光の相互反射の計算は従来から行 われていた。また、熱工学分野においても放射伝達の理論は古くから研究されていた。しかし、いずれの分野においても、物体間の反射光( または放射熱)を遮る物体の影響まで考慮した計算法は確立されていなかった。CGの分野には、最初ゴーラル(Goral)が導入し、影の影響 も考慮した手法は西田らおよびコーヘン(Cohen)らにより提案された。  相互反射を考慮すると、従来の方法に比べて次の点においてよりリアルな画像が得られる。
1.影が半影(ぼやけた影)を伴う。
2.直射光が届かない部分も、相互反射による間接光により照射される。
3.反射面の色が隣接する面に影響する(カラーブリーディングとよばれる)。
すなわち、レイトレーシングによる鋭い画像に比べ、間接光がかもしだす柔らかい雰囲気が表現できるのが特徴である。

SIGGRAPH

SIGGRAPH(Special Interest Group on Computer Graphics)は米国コンピュー タ学会 ACMのCG分科会で、毎年1回国際会議を開催している。この分科会は1967 年に創設され、その第1回会議は1974年に開催された。その時の参加者は325人 とささやかなものであったが、第3回頃から機器展示が付加され、第6回にはフ ィルムショーが加えられ、第10回にはアートショーが加えられるなど、年々規 模が拡大していった。現在では会員数1万人以上、参加者3万人以上の世界最大 のCG国際会議・展示会になっており、CGの先端技術が発表される場として注目 されている。そこで行われるエレクトロニクスシアター(古くはフィルム&ビ デオ・ショー)はそのアルゴリズムの実証の場でもある。また、展示会ではCG 機器の新製品も発表される。

Bezier Clipping とは


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