ACM SIGGRAPH より The Steven A. Coons Award を受賞
第32回 SIGGRAPH ロサンゼルス コンベンションセンター 7/31 - 8/05, 2005
 8/1 13:05-15:15 Keynote address and Award sessionで受賞

安田講堂での記者会見 (7/27) LA コンベンションセンター 会場での受賞講演 (8/1) 賞委員長・他受賞者と 恩師・共著者と

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東京大学大学院新領域創成科学科 広報のページ より引用:

本研究科複雑理工学専攻の西田友是教授が,本年度の国際会議 ACM SIGGRAPH において 最も権威のある The Steven A. Coons Award を受賞されることになり 7 月 27 日に記者会見が行われました.この賞は,コンピュータ・グラフィックス(CG)界へ 長年にわたり大きな貢献を続けてきた研究者に2年に1度与えるACM SIGGRAPHの 最も権威がある賞で,CG界のノーベル賞と呼ばれています (http://www.siggraph.org/awards/ 参照).

今回の受賞は,西田教授のCG界への長年の業績が世界的に評価されたもので,特に室 内の照明効果から自然現象の表現に至るまでのCG画像生成において,高度な数理的手 法や物理的原理を積極的に導入して来た功績と,それらの手法により西田教授が作成 されてきたCG画像の美しさや質の高さを大きく称えています.西田先生は歴代で12人 目の受賞者となり,日本はもとよりアジアから初めての受賞者になります.また,今 までの受賞者には I. E. Sutherland 氏や, P. Bezier 氏など,CGの黎明期を支えた 研究者らが名を連ねており,西田教授のCG界における功績の大きさを物語っております.

授賞式は米国ロサンゼルスにて8月1日14:05-14:25(日本時間8月2日6:05-6:25)に行わ れますが,西田教授のSIGGRAPHにおける受賞講演は,最近話題の映画「スターウォー ズ」の監督ジョージルーカス氏の基調講演の直前に設定されています (http://www.siggraph.org/s2005/main.php?f=conference&p=keynote).


SIGGRAPH 関連 URL

新聞記事および出版物 WEB報道 関連イベント 受賞者情報

安田講堂での記者会見資料 研究室関係 URL

会場内(本当に広い!) 会場内 彫像の受取時(8/1) 受賞講演:
本人が右下に小さく見えるほど広い
G. ルーカスの講演
過去の受賞者と 歴代の受賞者との食事会(8/2) SIG Tokyoレセプション(8/2) レセプションでの挨拶
(盾と彫像を説明)
彫像(Coons曲面で構成)
---- 受賞を記念してひとこと ----

 CGの分野で最も権威ある学会SIGGRAPHが提供するいくつかの賞のうち最も権威ある賞(Steven A. Coons Award)を頂いたことを感謝しております。

  • 1.話題性
     本年のSIGGRAPHの基調講演(8/1)はジョージルーカスということもあり、受賞式と基調講演のセッションは超人気でして、開場2時間も前から列が並ぶほどでした( 81カ国3万人程度が学会に参加)。 会場はかなり大きく、TVで写し大きなスクリーンを会場内数個おくというもので、特に授賞式のセッションは2部屋を使い行われました。
    今回の受賞はアジアから初めてであり、2年に1人のみ選ばれ史上12人目であることも注目された点です。アメリカ中心にCGが発展してきたとこれまで認知されていましたが、日本の貢献度が今回評価された点に意味があると思います。
     受賞者3人がいずれも自然物の表示に関係してるのも、最近のCG研究のトレンドを示唆してるといえます。

  • 2.受賞講演
     他の2受賞者(The Significant New Researcher Award; Ronald Fedkiw氏、The Computer Graphics Achievement Award: Jos Stam氏)と共に受賞講演を行ないました。彼らは5分程度でしたが、COONS賞は2年に1回ということで格調高くアワードの委員長(Eugene Fiume)による5分の経歴紹介のあと15分の講演を行いました。 講演は、西田の研究の歴史、研究の特徴、謝辞を含みました。
    とくに、下記の特徴を強調しました。
    ・ 35年におよぶCGの研究(学部時代(1970)からCG研究を開始)
    ・ ラジオシティ法、種々のタイプの光源(スポットライト、線光源、天空光など)、ソフトシャドウ、大気散乱など世界に先駆けた研究
    ・ 研究論文のみでなく、アートショウ、エレクトリック・シアターなど芸術性を含むものでも多くSIGGRAPHに貢献

     下記の点が会場で受けていました。
    - ジョージルーカスの直前の講演ということもあり、スターウォーズ風のタイトル
    - 1984年ごろは手書きの原稿で学会発表されてこともあり、世界最初のラジオシティの論文はmy wifeが書いた
    - 地球の大気の論文は、実際のものと比較しないと採択できないとSIGGRAPHの査読者から指摘をうけた。宇宙からの地球を見た人は、当時では宇宙飛行士の毛利さんしかいませんでした。彼にお会いし我々のシミュレーション結果を評価して頂きました。(丁度日本人飛行士の野口さんがこの週はシャトルで宇宙にいる点を追加しました)。

     受賞そのものの喜びより、講演のチャンスを頂き、CGの種々の技術が日本で生まれたことを主張できたことに感謝しています。
     盾のほか、Coons賞は特に彫像も授与された。今回は日本人ということで漢字で名前を書き込んである。この彫像はクーンズ曲面で構成されているのが特徴であり、製作した会社のHPには、歴代の保有者名が書き込んである。

    当日のSpeaker Scheduleは下記である(2部屋も使用); Monday, 1 August 1:15 - 3:15 pm Hall A,B
    1:30 James L. Mohler: SIGGRAPH 2005 Conference Chair
    1:40 Eugene Fiume: ACM SIGGRAPH Awards Chair
    1:45 Ronald Fedkiw:The Significant New Researcher Award
    1:50 Eugene Fiume; ACM SIGGRAPH Awards Chair
    1:55 Jos Stam:Computer Graphics Achievement Aw
    2:00 Eugene Fiume; ACM SIGGRAPH Awards Chair
    2:05 Tomoyuki Nishita:The Steven Anson Coons Award
    2:20 James L. Mohler
    2:25 George Lucas: SIGGRAPH 2005 Keynote Speaker
    3:15 Session Concludes
    恩師(中前教授)とSederberg教授(共同研究者)は
    ゲストとして授賞式に招待した。
    S.A.Coons Award受賞ニュース
    G.ルーカスと同じセッションでの
    受賞講演なのでStarWars風

  • 3.報道に関して
     読売新聞(7/28)、日経新聞(7/28)、日経産業、映像新聞(7/25),朝日など数社の新聞報道、PCWEB、Goo newsなど25以上でのWEBでの報道、色々な機関のレポート、加えて個人のWEB上の日記でのコメント(20以上)など色々な形態で受賞の件が告知されました。また地方局ですがラジオでも紹介されました。特にWEBの影響の強さには驚いております。
    日記関係  なお、記者会見、SIGGRAPHの東京支部主催のロサンゼルスでのレセプションでの歓迎会、学会の記念講演、研究室内の祝賀会など多くのイベントを企画して頂いたことにも感謝してます。

  • 4 その他
     SIGGRAPHにおける論文数を調査してみました。投稿数は年々増加しており、将来性のある分野といえます。ただ、米国が7割を占めており独占してるといえます。それに対して日本は3%でした。1990年代では全ヨーロッパからでも2,3件で日本からも2,3件でしたの日本1国と全ヨーロッパが互角でした。最近日本は低迷してるかもしれません。特に日本の企業(以前はNTT、IBM、日立など)からの論文はこの10年でなくなったといえます。こうした点からも企業の活性化を願います。
     本年のSIGGRAPH統計; Paper; 461投稿で98採択(日本から3件)、Skeches;368投稿で149採択、Computer Animation Festival:560投稿で68採択、Art Gallery: 1,100投稿で 53採択
     なお、本年西田関係では、Skeches(土橋) .Poster(柿本;3位に入賞)で発表、 Emerging Technology(東工大、北大と共同)で展示しました。

 内緒話; 実は受賞の最初の連絡はAward committee委員長から4月27日にありました(その2,3日前に、電話で私に知らす予定で私に電話する都合をメイルで聞かれたのですが、そうとは知らず電話を拒否したためメイルになった)。かつてアジアから受賞者は出たことないので、受賞はあり得ないと思い全く信じてなくてしばらく経ち、5月3日にプロシーディングスに掲載される推薦文原稿が来ても信用してなく、5月28日に講演のスケジュール(ジョージルーカスの名前があった)が来た際、初めて本当に受賞を自覚しました。7月7日にSIGGRAPHからAward Newsを含むメイルレターが配布されたので、それが公式発表といえるので(今までは学会開催日にならないと公表されない)、これを機会に周辺の人に報告しました。


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