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西田は1970年来,40年間もの研究を行っており、研究分野(右図参照)はかなり
広いがそのなかでもShading Model関係で特に光源に関する研究を紹介する。
ここでは、Soft shadowがリアルな画像生成の要素であるが、Soft shadowは誰が最初に開発したかを説明する。Soft
shadowは大きさを持つ光源(Extended light source)により生じる。1981年から2014年までの著者の論文でSoft
shadowに関連するものをまとめた。 (このページはスペインで開催された国際会 議CyberWorld2014での基調講演のスライドを参考に編集したものである) 他の手法;< Radiosity | Soft shadow | Bezier Clipping | Light Scattering | Natural phenomena | Fluid dynamics | NPR | CGhistry, Topics > |
研究分野 |
Extended Lightとは |
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CG研究の初期においては光源は点光源と平行光線のみに限られていた。
これらの光源に
よ 驩eの境界ははっきりしています。実際の室内を考えると、影はぼやけた境界が
大半である。
これは実際の光源は大きさを持っているために生じる。すなわち、こうした光源はExtended
lightと言われ、光源の体積を無視できないものを言う。線光源、面光源などである。
これらの光源による影はSoft
Shadowと呼ばれる、正確にはこの薄い影の部分を半影(penumbra)、完全に暗い部分を本影(umbra)と言う。光源は幾何学的に分類する
と、点光源、線光源、面光源、多面体、
曲面光源、半径の大きな半球光源である天空光(sky light)がある。
空間中に分布する粒子による散乱光も光源と言える(ボリュームライト)。
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誰が Extended Light研究のパイオニアか |
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世界で最初に公開された半影を含む画像(線光源)は上の画像である。
1982年、ボストンで開催されたSIGGRAPH Art
Showに採択され、会場に等照度分布を重ねた画像と2枚が展示された。
実は日本国内では、1981年の情報処理学会の全国大会(査読なし)で上図
のように発表しており、これが真の世界初の発表と言える。
SIGGRAPHのSlide部門でも、線光源画像が採択されており、それを機会に下記の
ようにカレンダー(1985年用)にも掲載されており、その画像のキャプションに1982年と記載されている。
半影を含む画像生成の有名な論文はCookのDistributed
ray tracing(1989)である。その論文で今まで半影の画像は西田のArt Showでの展示画像しか見たことがないと引用されている。
この線光源の論文は1982年に投稿したが、なぜか3年も査読に要した。
1985年の論文誌TOGに採択された(上図は画像の掲載部分)。ところが
1984年に公表された光源に関する論文がこの1985年の西田の論文を引用していました(まるで、この論文発表を優先するため西田の論文の出版を遅らせ
たように思えませんか)。
1985年にはIEEEの論文誌に面光源のShadinng
Modelが採択された。また、SIGGRAPH1985ではラジオシティ法を発表した。そのradiosity論文の付録では面光源のShadinng
Modelについても付記した。そのおかげでCG分野最 熬・シな書籍「Computer Graphics: Principles and
Practice」に画像と説
明図が引用された。
多角形、円柱、曲面形状の光源に対するShading
Modelの論文も次々に発表しました。
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CGの歴史上重要な技術の開発と受賞者(SIGGRAPH S.A.Coons賞など)との関係 Extended LightあるいはSoft shadowはレイトレーシング法とラジオシテイ法の間の期間に開発された。(このスライドでは、主要な技法の開発者と西田との写真も紹介。) 西田らが開発した、Extended Lightに対するShding modelの表 光源に関して下記の5論文を発表した。 Area(COMPSAC 1983), Linear(Tog 1985), Cylindrical(CGI 1992), Polyheral(1994), Curved surface(EG 1993) 西田の光源に関する研究は、 _光源、線光源、球状光源、ドーナツ状光源、天空光と進展した。天空光は環境光の研究の原点になり、さらにPRTに進展した。 |
天空光は環境光源の原点 |
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光源を幾何学的にみると、点、線、面、多面体と発展させると、半球の光源が存在する。半径の大きな半球状の光源が天空光である。この天空光のモデルは SIGGRAPH 1986で発表した。 天空光の特徴は、半影を生じるのみでなく、太陽の位置により輝度分布が変化することである。輝度分布は天候に依存し、曇天空と晴天空に分類される。 光源モデルをまとめると上図のようである。 天空光で雲を照射したShading modelをSIGGRAPH 1996で発表した。なお、雲の内部での粒子による光の多重散乱も考慮されている(これはサブサーフェススキャタリングの原点と言える)。 |
天空光の場合、影に加え光源である天空の輝度分布が問題である。天空の輝度は大気中の空気やエアロゾルの散乱光で決まります。上のは大気の色を計算する論 文でSIGGRAPH 1993で発表した。 空の色は太陽の方向で決まる。太陽の大気の通過距離に依存して大気中の粒子の散乱・吸収によってきまります(1991年発表)。 天空光や環境光源に関して、12論文発表した。 Sky light(SIG 1986), Out door(EG 1993), Light design(EG 1994), Basis-function(PG 1994), Sky color(PG 1996), Sky Light Luminance(EG 1996), Sky Color using Basis functions(VCA 1997), Differed shadows(CASA 2005) Dynamic shadows (TVC 2006), Dynamic Environment Illumination(PG 2009) Dynamic Scenes under All-frequency Lighting(EG 2012), Microcylinder Model under Environment Light (EG 2014) |
前計算による光伝達関数の高速化 |
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室内の照明設計の際は、光源の配光を変更して行うことが多い。光源を変更した絵も即座に室内照明の分布が得られる方法を提案した。 EUROGRAPHICS 1995で発表(土橋先生は筆頭)し、Best Paper Awardを受賞した。この方 @ ヘ光の分布は基底関数に分解して表現し、基底関数の係数を変更することで、即座に結果画像が得られる。 この方法はSloanの論文でPRT (Pre-computed radiance transfer)と名づけられた(彼はこの我々の論文がヒントになったと明記している)。 室内照明において光源の特性を変化させた際の室内画像の基底関数の合成による高速表示。 屋外のシーン、すなわち天空光に照射される建築物の計算にも上記スライドのようにPRTが利用できる。 動的に変化する天空光に対する室内の描画
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Global IlluminationによるSoft
Shadows
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相互反射による特徴の一つに半影がある。その最初の論文は1984年の3月の照明学会の全国大会の論文である。 動的シーンに適した、相互反射の計算法を提案した(2007年,岩崎ら)。 動画を参照 |
大気中の粒子による散乱光も環境光として窓から入射する。室内では粒子も考慮した相互反射の計算も必要。 種々の光源に対して、散乱光が重要である。 |
環境光源による Soft Shadow |
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環境光による照明が、動的に変化する形状に対応できる方法をEUROGRAPHICS 2013で発表(岩崎ら)動 画を参照 布を環境光でリアルタイムに表示する方法をEUROGRAPHICS 2014で発表(岩崎ら)動 画を参照 |
環境光源は物体の周囲から照射する遠方に存在する光源である。 光の分布はテクスチャーと同様な形式で保存される。 環境光源に関係する著者らの画像の一覧。 影関係の日本での発表(査読無);
この分野は、長期間の共同研究によるものである。初期段階は中前教授、その後、 土橋、金田、岩崎、楽先生に感謝する。 |